根管治療
歯の根管治療について
虫歯が進行したり、歯が割れたり、しみる症状が強い時などに、歯の神経の治療が必要になる場合や、治療済みの歯の根の先が膿んでいる時に行う治療です。歯の根の治療は非常に細かく、歯の寿命に関わる重要な治療です。そのため、治療時間や回数がかかることが多くなります。また、難治性(根の形が複雑、症状が回復しないなど)の根管治療の場合、CT撮影を行い、どの根に原因があるかを確認することもあります。
根管治療が必要なケース
虫歯や外傷によって歯の神経が影響を受けると、痛みや腫れ、神経感度の増加などの症状が現れることがあります。例えば、突然のひどい痛みや腫れ、冷たい飲み物や温かい食べ物に敏感になる、歯に触れるだけで痛みを感じるといった症状が考えられます。これらの兆候は、歯の内部に問題がある可能性を示しています。少しでも違和感がある方は、すぐにお近くの歯科医院で検査を受けてください。
根管治療の特徴
肉眼で確認できない
根管の内部は細く、複雑に入り組んでいるため、肉眼では確認できません。そのため、治療が難しく、失敗するリスクも少なからずあります。
複雑な構造
根管の形状は複雑で個人差が大きいため、患者様ごとに根管の形状を正確に把握しない限り、高精度な治療を行うことはできません。
細菌除去が困難
肉眼では見えない細菌を完全に除去するのは困難です。しかし、根管内に細菌が残っていると、症状が再発するリスクがあります。放置すると、根尖性歯周炎の原因になることもあります。※1
虫歯菌による感染が根管を通過し、顎の骨まで達することで炎症が起こります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、進行してから気づくことが多く、レントゲンを撮って初めてわかるケースもあります。悪化すると歯がグラつき、抜歯しなければならないこともあります。根管治療後は、定期的に検診を受けるとともに、違和感を感じた場合は早めに歯科医院にかかることが大切です。
治療の手順
歯の内部にある根管(神経が通っている管)を丁寧に清掃します。専用の器具を使用して、根管内の神経組織や感染物を取り除き、根管内部を清潔な状態にします。これにより、感染の拡大を防ぎ、痛みや不快感を軽減することが目的です。
根管内部を機械的にきれいにした後、残っている汚れや細菌を洗い流します。殺菌作用のある薬剤を用いて洗浄し、超音波の振動を利用して根管内部の汚れをしっかりと洗い流し、清潔な状態にします。
次に、根管内部に充填材を詰める作業が行われます。充填材は歯の内部を密閉し、バクテリアの侵入を防ぎ、再感染を防止します。
最後に、根管治療を受けた歯にかぶせ物(クラウンや被せ物)を取り付けて治療が完了します。かぶせ物は歯の外部を保護し、噛み合わせや見た目を改善する役割を果たします。
治療後の痛みや不快感について
根管治療中には局所麻酔が使用されるため、治療中の痛みは最小限に抑えられます。ただし、麻酔が切れた後に軽度の違和感や腫れが数日間続くことがあります。治療後に痛みや腫れが出ることもありますが、痛み止めや抗生剤を使用することで軽減できます。治療後、一時的に歯の感度が増加することもありますが、時間とともに改善されますのでご安心ください。根管治療は歯を守り、痛みを軽減するための重要な治療法です。早期の診断と適切な治療により、歯の健康を維持し、美しい笑顔を保つことができます。治療の詳細やご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。